ご依頼のきっかけ・ご提案内容
この度はご依頼を頂きまして誠にありがとうございます。築25年のご住宅にて、下屋の雨漏りでお問い合わせ頂きました。 現地調査に伺ったところ、屋根の勾配(角度の大きさ)がほとんどついていないにも関わらず、スレートの屋根材で横葺きされていました。これでは勾配が足りておらず、雨水が流れず溜まって雨漏りを起こしてしまいます。この屋根のような勾配の場合、縦葺きをする必要があるため、施工不良といえるでしょう。今回は、ガルバリウムの屋根材で立平葺きをご提案致しました。水切り板金も取り付けさせて頂き、屋根だけでなくトータルで雨漏りの心配を解消することができました。
施工前
こちらが施工前の屋根の様子です。割れや劣化がみられます。
水切り板金の状態も、雨水の侵入をブロックするには不十分です。
施工中
野地板増し張り
まずは既存の屋根の上から野地板を増し張りしていきます。野地板とは、屋根の最下層、土台となる板のことです。カバー工法ですので、既存の屋根を撤去することなく、上からカバーしていく施工です。屋根の廃棄が必要ないため、葺き替えと比べて施工費を大幅に下げることができます。ただ、屋根の葺き替え・カバー工法どちらが良いかというのは、お客様のご希望との兼ね合いですので一概には決められません。施工方法のメリット・デメリットは、しっかりと相談してから決定致します。
ルーフィング設置
次に、ルーフィングを設置します。
写真の灰色の部分がルーフィングと呼ばれる屋根の防水シートです。こちらは雨漏り防止のために非常に重要なパーツで、屋根材と同等かそれ以上に、雨水を排出する上では大きな役割を果たします。基本的に屋根材同士の間には、雨水が排出されるためのわずかなすき間が開いており、屋根材の下に雨水が流れ込むことは不可抗力といえるのです。しかし、このルーフィングが屋根材の下に敷いてあることで、雨水はその上を流れて排出されます。耐用年数を超えて劣化してしまっていると、破れなどが生じ、そこから土台である野地板にまで腐食が起こる恐れがあります。
参考記事▷屋根の寿命はルーフィング材で決まる。
ルーフィングは普段は目で見ることのできないパーツですので、築年数10~15年のあたりで1度、メンテナンスが必要かどうかをプロに相談して頂くと安心です。
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屋根板・板金の土台設置
今回選定致しました屋根材は「タフビーム」と呼ばれます。近年、多くの方に選ばれているガルバリウム鋼板で、金属であるにも関わらずサビに強いという特徴を持ちます。また、屋根と外壁との取り合い部分には雨漏りを防ぐ板金を設置しますが、その土台をここで取り付けていきます。写真の木材が土台です。加えて雨水を吸収できるスポンジ材も、土台の脇に設置します。
貫板設置
先ほどの木材の上から貫板を設置します。通常、屋根カバー工法では、貫板は屋根材に直接ビスで留めるのですが、今回は屋根と外壁との取り合い部分のため難しく、木材の土台を設置する必要がありました。今回は「タフモック」という樹脂製の貫板で、一昔前に一般的だった木製の貫板よりも、10年単位で寿命が長いものです。
水切り板金設置
いよいよ、雨漏り防止の要である水切り板金を設置します。この板金を屋根と外壁との取り合い部分に設置することで、建材同士の接合部というどうしても隙間のできてしまう部分に、水が侵入しないようブロックしてくれます。外壁と板金の接合部には、特に気配りをしながらコーキングを打ちます。
完工
以上で完工です。今回の立平葺きは、排水性能に極めて優れた屋根設置法とされています。棟(屋根の頂上部分)から軒先まで、継目や障害物がないために雨水が効率よく流れ落ちます。今回の雨漏りの原因は、屋根の勾配が足りず、長時間水が溜まることで起こった浸食ですので、このようなケースにはぴったりです。
担当者のコメント
雨漏りというと、屋根ばかり気にしてしまいがちなのですが、外壁からの雨漏りというのは意外にもよく起こります。そのほかにも、ベランダからの雨漏りやビスが緩んだ隙間からの雨漏りなどさまざま考えられますので、ご住宅全体の経年数を総合的に考慮することが大切です。今は特に困りごとはないという場合でも、最後のメンテナンスから10年以上経っているという方や、ご住宅の状態をチェックしておきたいという方はお気軽にお問い合わせくださいませ。無理な営業などは一切行っておりませんので、ご安心ください。
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